
アトピーで食事改善をしたことがある人なら、だいたい知っていると思う植物油の種類。
オメガ3とかオメガ6とかね。
アトピー体質の人にはオメガ3の植物油がいいと言われているんだけど、知らない人のために、ここで改めて説明をしてあげよー。
食用油の種類
まず、それぞれの違いについて説明する前に、普段人間が摂取している油の種類について説明すんね。
そっちから話した方がわかりやすんで。
「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」
まず、人間が普段摂っている油というのは、大きく分けて、「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」の2つに分かれるんだけど、その違いは次のとおり。
特徴 | 多く含む油 | |
飽和脂肪酸 |
| 肉類などの動物性油脂 |
不飽和脂肪酸 |
| 魚、植物油など |
また、不飽和脂肪酸は二重結合している分子の数によって2つに分かれます。
特徴 | 多く含む油 | |
一価不飽和脂肪酸 |
| オリーブオイル キャノーラ油 |
多価不飽和脂肪酸 |
| ごま油 魚の油 |
※「二重結合」については話がむずかしくなるので、単純に「二重に結合している」「二重結合が多いと酸化しやすい」とだけ理解していればOK
油ごとの飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸構成比
油によって、飽和脂肪酸が多いものや一価不飽和脂肪酸の方が多いものがあり、主な油の構成比はこんな感じ。
飽和脂肪酸 | 一価不飽和脂肪酸 | 多価不飽和脂肪酸 | |
ココナッツ油 | 92% | 6% | 2% |
バター | 72% | 25% | 3% |
牛脂(ヘット) | 52% | 44% | 4% |
パーム油 | 51% | 39% | 10% |
豚脂(ラード) | 41% | 48% | 11% |
イワシ | 37% | 27% | 36% |
ごま油 | 15% | 40% | 45% |
オリーブオイル | 14% | 75% | 11% |
コーン油 | 13% | 30% | 57% |
紅花油 | 9% | 15% | 76% |
キャノーラ油 | 7% | 75% | 18% |
なので、飽和脂肪酸の特徴どおり、酸化もしにくいし、常温では固体なわけ。
逆に紅花油なんかは圧倒的に多価不飽和脂肪酸の比率が高い。
だから、酸化もしやすいし、常温では液体の状態になっている。
ちなみにキャノーラ油(菜種油)は、不飽和脂肪酸が93%もあるので、常温で液体の状態だけど、一価不飽和脂肪酸の割合が75%と突出しています。
そのため、紅花油と比べれば酸化しにくいということです。
ただ、こう表で1つ1つ見せられても覚えられないし、わかにくいよね。
なので、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の区別は、ざっくりいうと、常温で固体か液体かで判断すればいいと思います。
調理中は高温なので液体の状態だけど、冷めて室温になると、動物性油脂は固まってしまうわけ。
それだけ常温では固まりやすいわけです。
不飽和脂肪酸のオメガ3、オメガ6、オメガ9
さて、不飽和脂肪酸だけど、脂肪酸の種類によって大きく3つに分けることできます。
あなたも聞いたことがあるかもしれまないけど、オメガ3、オメガ6、オメガ9。
これは二重結合がどの場所でしているか、二重結合している位置で、分かれているんだけど、ここではどの位置かどうかなんてことは気にしなくてOK。
あくまで3つあると理解しといてくれればOK。
まずは下の表を見て。
脂肪酸の種類 | 多く含む油 | |
オメガ3系(n-3系)脂肪酸 | αリノレン酸、EPAなど | 魚の油、亜麻仁油、エゴマ油 |
オメガ6系(n-6系)脂肪酸 | リノール酸など | ごま油、紅花油、コーン油 |
オメガ9系(n-9系)脂肪酸 | オレイン酸など | オリーブオイル、キャノーラ油 |
※オメガ3、6系は「多価不飽和脂肪酸」に属し、オメガ9系は「一価不飽和脂肪酸」に属します。
「脂肪酸」というのは、油を構成する材料の一部です。その脂肪酸には、いくつかの種類があり、それが、オメガ3、オメガ6、オメガ9なわけですよ。
もちろん、それぞれの食用油に1種類しか入っていないわけではなく、たとえば、オリーブオイルはオメガ9系でオレイン酸が多く含まれているけど、オメガ3、6系のαリノレン酸やリノール酸も含まれている(少量だけどね)。
なので、どの油も複数の脂肪酸を含んでいるけど、その構成比、バランスが違うわけ。
それでは、それぞの脂肪酸(αリノレン酸、リノール酸、オレイン酸)について特徴を紹介していきましょう。
αリノレン酸 (オメガ3系) | アレルギー疾患、炎症を抑える |
リノール酸 (オメガ6系) | コレステロールを低下させる 摂りすぎると、アレルギーを誘発させる |
オレイン酸 (オメガ9系) | コレステロールを低下させる 酸化しにくく、過酸化脂質の発生を抑える |
ちなみにαリノレン酸というのは、熱や酸素などに弱く保存性がよくない。
そのため、いま巷にあふれる加工食品や外食で出てくる料理には、あまり使われていない。
コストパフォーマンスのよさから、オメガ6系のリノール酸の油がよく使われていて、スナック菓子、ファーストフードの油なんて、ほとんどこれと言われています。
そのため、いまの日本人はオメガ6系とオメガ3系の摂取バランスが非常に悪く、オメガ6系過多になっていると言われているんだよね。
しかも、オメガ6系のリノール酸は摂りすぎると、体内で「アラキドン酸」というものに代わり、アレルギー反応を高めたり、ガンを引き起こすんです。
今回、アヒルちゃんが買ったのはオメガ3が豊富なえごま油
そこで、今回アヒルちゃんが購入したのは、オメガ3系のαリノレン酸が豊富に入っている「えごま油」。
えごま油は、それぞれの脂肪酸の割合が、
- αリノレン酸(オメガ3系) - 61%
- リノール酸(オメガ6系) - 15%
- オレイン酸(オメガ9系) - 17%
- 飽和脂肪酸 - 7%
となっていて、オメガ3系の油を摂取するにはもってこいの油!
もちろん、バランスが大事なので、オメガ6系の油もある程度を摂っていくつもり(実際、アトピー患者はすでにオメガ6系の制限をしすぎて、逆に足りない人もいるみたいだから、何事もバランスが大事だよね)。