
前にも書いたとおり、「酵素」は食べたものの消化を助けてくれるもの。
胃腸への負担を減らし、アトピーを改善するためには、酵素の豊富な生の食材を摂取すると宣言もしました。
当然、酵素に関する情報はできるだけ知りたいし、Amazonでも評判だった『「酵素」の謎――なぜ病気を防ぎ、寿命を延ばすのか』を購入し、読んだみた。
構成は?
- 序章 栄養学から見た病気の原因
- 第1章 ここまでわかった!酵素の謎
- 第2章 人体における酵素の働き
- 第3章 酵素を減らす加熱食の危険性
- 第4章 根本原因はここにあった!腸と腸内細菌
- 第5章 体を蝕む酵素を減らす食事
- 第6章 こうすれば簡単!酵素を摂る方法
- 終章 初心者のための鶴見式・酵素断食
感想・レビュー
前半は酵素とは何か、酵素の働きについて、解説がされている。
酵素は五代栄養素(たんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル)、食物繊維、水、ファィトケミカル(植物に存在する化学物質)に次ぐ9番目の栄養素とのこと(初めて聞いたが、水も栄養素らしい)。
正直、酵素については、これまであまり詳しく書かれているものを見たことがないので、かなり勉強になった。
酵素とは?
一応、酵素について基本的なことを言うと、
- 体内でおこる化学反応(栄養素の分解、吸収、代謝など)を助ける
- 体内酵素(人間の体内部にある)と体外酵素(食べ物など外部から取れ入れる)がある
- 体内酵素は消化酵素(食べ物の消化で使う酵素)と代謝酵素(エネルギー創出など生命動で使う酵素)がある
- 消化酵素と代謝酵素はトレードオフの関係(片方を使いすぎると、もう片方の酵素の量が減る)
- 体外酵素は食物の消化を助ける酵素(代謝酵素の元になったりはしない)
- 酵素は熱に弱く、50度を越えるとほとんど働きを失う(失活)
- 人が一生で創り出す体内酵素の量は決まっている
基本的なところなので、知っている人も多いと思うが、酵素の特徴はこんな感じ。
体外酵素は食物酵素ともいうが、よく「食べ合わせがいい」とかいうのも、この食物酵素が関係しているんだよね。
たとえば、「大根とさんま」。
大根にはたんぱく質を分解する「プロテアーゼ」、脂質を分解する「リパーゼ」という酵素が豊富に含まれている。
だから、脂質やたんぱく質の多いさんまを食べるときに、大根を一緒に食べれば消化を助けてくれるので、体の負担が軽くなるわけだ。
アトピー治療にも役立つ
今回、アヒルちゃんはアトピー改善で胃腸に負担のかからない食事を意識しているので、この酵素の働きについては、かなり意識しているわけ。
そういった意味でも、今後の食生活において、かなり勉強になったと思う。
やっぱりちゃんと理論をわかって実践するのと、理論もわからずただ良いとされていることを実践するのでは違うからね。
この本は、アトピー治療に特別に酵素が役立つとは書いていないけど、ある程度効果があるのではないかと思えましたし。
アトピーに限らんでも、現代社会は加工食品、ジャンクフードなど酵素の摂取量が少ない食生活になっていて、それがいろいろな病気の原因になるとも書かれているので、健康な人でも意識しておいて損はないと思う。
また過食、食べ過ぎについても警鐘を鳴らしていて、巻末では酵素断食について、具体的に紹介されていた。
アトピー改善で胃腸を休ませるためには断食も必要だと思っているアヒルちゃんにとっては、ここもいろいろ参考になったところだねー。
科学的な根拠が微妙…
ただ、マイナス点もあります。
その中でも大きいのが、著者の説に関して科学的な裏付けがないこと。
- 消化酵素を使いすぎると代謝酵素が減る
- 人が一生で創り出す体内酵素の量は決まっている
などと書かれているけど、実際の科学的なデータはない。
著者は、代謝酵素が減ると、生命活動の能力が落ちるので病気になりやすくなるが、それを避けるために消化酵素を使いすぎないことが大事と言っている。
そのためにも消化に負担のかかる加工食品、ジャンクフードなどを避け、食物酵素の豊富な食材を摂るように薦めている。
ただ、本当に消化酵素を使いすぎなければ、代謝酵素が増えるのか、アヒルちゃん自身は少し疑問に思う。
というのも、酵素は現在わかっているだけで2万種類以上あり、消化で使う酵素、代謝で使う酵素は当然別物である。
アヒルちゃんは生化学について、詳しくないので、自信はないが「わざわざ形を変え、消化酵素⇒代謝酵素に変わるのだろうか?」とも思う(ただ、消化の負担を下げれば、胃腸など体の負担は下がるので、酵素が豊富な食生活をすることは間違っていないと思う)。
また、酵素は正直、学問的にも注目をされてきたのは最近で、まだまだわからないことや不明点が多いので、この本や現在正しいとされていることも、実は間違っていたということも、将来出てくると思う。
だから、完全な鵜呑みにはしないで、その上で活用すれば、とてもいい本だと感じた。
価格も新書なので安いし、よかったら読んでみて。