
経営手法として、よく「トップダウン経営」「ボトムアップ経営」という言葉を聞きますが、今日はその意味と、それぞれのメリット・デメリットを紹介します。

ぜひ参考にしてみてください。
トップダウン経営とボトムアップ経営の違い
トップダウンとは、組織のトップである社長が、部下に対して業務内容を指示し、動いてもらうやり方です。
ボトムアップは、現場の人間が自分たちで業務内容を考え、トップに対して「こういうことをやりたい」と提案して進めるやり方です。
それぞれ詳しく説明していきます。
トップダウンの特徴
トップダウンは、トップがやることを決めて、指示を出すので、スピードが早いという特徴があります。
また、1人もしくは少人数で決めて、部下に指示を出すので、指示内容がブレにくく、的確に業務を進めやすいと言われています。
そのため、実際にかかる作業時間・手間なども短縮でき、無駄が少ないやり方です。
ただし、トップダウンは、そのトップにある程度カリスマ性がないとうまく機能しません。
どんなに的確で有用な指示であっても、トップにカリスマ性がなく、尊敬されない人だと、部下もやる気が出ず、トップの思ったとおりに動いてくれません。
現場の声を聞かずに無理に進めようとすると、部下からの反発も受けるので、要注意です。
一般的にですが、中小企業など規模の小さい組織に向いている形態と言われています。
あまり大きな組織ですと、末端の部下まで指示が的確に伝わりにくいですし、カリスマ性があっても、その効果が出にくくなるからです。
小さい組織であれば、その辺もカバーできますので、一般的には小規模の組織に向いています。
※もちろん、大企業でもトップダウン方式でうまくいっている会社はあります。ソフトバンクなんかはそうですよね。
ボトムアップの特徴
ボトムアップは現場の人間が、「どういう業務をやったらいいか?」ということを考えて仕事を進めていきます。
ですので、よりエンドユーザーに近い感覚で仕事ができ、成果につながりやすいと言われています。
トップダウンの場合、いかにそのトップが有能でも、現場の肌感覚は分かりませんので、その差は大きいと言えます。
ユーザーの細やかな悩みにも対応できますし、お客様目線のサービスができる形態です。
ただ、ボトムにあたる各スタッフによって、考え方やニーズの受け取り方が違うので、意見がまとまりづらく、サービスとして作り上げるのに時間がかかると言われています。
現場内で揉めることもありますし、提案をまとめるだけでもスムーズにいかないことがあります。
また、ボトムにいる人間は現場目線での仕事はできますが、全体を見渡したマクロ的な目線での仕事はしにくいので、その点でも手間や時間がかかります。
そのため、ボトムアップをやる場合は、現場の人間である部下が有能でないとうまく機能しません。
トップダウンの場合は、トップが有能であれば、部下が平凡でもある程度機能しますが、ボトムアップの場合は、部下の能力の差が大きく影響します。
ボトムアップは「現場の声、お客様目線を大事にする」というとで、聞こえはいいですが、必ずしも良い形態と言うわけではないのです。
あなたの会社を客観的に見て、どちらが合うか、よく考えて決めることが重要です。