
「自分で考えて動く部下」
というと、上司にとってはとてもありがたい存在です。
そのため、部下に対して、
と、ハッパをかけている人もいるんじゃないでしょうか?
しかし、それで部下たちが、上司の考える「自分で考えて動く部下」になってくれるかというと、必ずしもそうではないんです。
上司が求める「自分で考えて動く部下」が育たない3つの理由
1つ目は、部下の力が足りずにそこまで成長できない。
2つ目は、上司の育て方・指示の仕方が悪くて、育たない。
そして、3つ目に挙げられるのが、
上司と部下で「自分で考えて動く部下」の認識がズレているという理由です。
どういうことかと詳しく説明します。
「自分で考えて動く部下」VS「上司の顔色を伺う部下」
「認識がズレている」とはどういうことか言うと、
「自分で動く部下」の具体的なイメージが上司と部下で違う場合があるのです。
部下のイメージでは、
一方、上司のイメージでは、
という場合です。
一見似ているようですが、必ずしも「会社にとってよいこと=上司がしてほしい」ことは一致していません。
そのため、部下が会社のために良かれと思ってやったことでも、上司の考えに合わないやり方であれば、上司からダメ出しをされることがあるわけです。
実際、「会社にとって良いこと」というのは、やってみないと分からないこともあり、同じ成果を目指している場合でも、やり方は複数あります。
どれも成功確率は同じくらいで、選択に迷う状況であれば、部下によって選ぶキャンペーンは変わってきます。もし上司がAキャンペーンがいいと思っていて、部下もAを選べば問題ありません。
これはどっちが悪いというわけではなく、あくまで『自分で考えて動く部下』の認識がそれぞれ違っているから起こることなのです。
- 部下は「(会社にとって良いことを)自分で考えて動く部下」、
- 上司は「(上司の希望・意向を)自分で考えて動く部下」、
というわけです。
対策として…
あなたが部下なら
上司のいう「自分で考えて動く部下」はどうなのか? 見極めることが大事です。
「(会社にとって良いことを)自分で考えて動く部下」なら、会社のことを考えて動く、
「(上司の希望・意向を)自分で考えて動く部下」なら、上司の考え方や思考回路をできるだけ早く覚えましょう。
営業で「お客さんの要望は何か?」と考えることに近いですね。
上司の本音がどちらなのか、その見極めを間違うと、仕事もうまくいきませんし、上司からの評価を落ちます。
「自分で考えて動く部下」と言っていても、単に説明や教えるのが面倒なだけだったり、単に仕事のアイデアがほしいだけの場合もあるので、注意が必要です。
あなたが上司なら
部下に対して、
「(会社にとって良いことを)自分で考えて動く部下」になってほしいのか、
「(上司の希望・意向を)自分で考えて動く部下」になってほしいのか、
自分の希望を改めて明確化する
もし後者が本音なのに、部下に前者を求めてしまうと、必ず失敗します。
特にあなた自身が、下記の「「指示待ち人間」を作る上司の4つの特徴~「自分で考えて動く部下」が育たない訳」でお伝えしたような指示待ち人間を作るタイプなら、なおさらです。
自分と意見が違っても、ある程度受けいれられる多様性が上司にない場合、いつか無理が出てきます。
そうであれば、「上司の顔色を伺って、上司の希望に沿って動ける部下」の方が、組織としてうまく行く場合が多いわけです。
ちなみに、上記のような上司で、人に気を使うやさしいタイプだと、さらにまずい状況になることがあります。
やさしいタイプですと、部下からの提案が自分の意に沿わなくても、無理に自分を抑えてやってしまうことがあります。
無理をしていないなら問題ありませんが、無理をしている場合、途中で結局手を入れ、部下のやり方を止めてしまうことがあります。
すると、中途半端に始めて、中途半端に終わりますので、ある意味一番無駄なやり方になってしまうんです。
結論
一般的に、
- 無能な上司の場合は、「自分で考えて動く部下」
- 有能な上司の場合は、「上司の顔色を伺って、上司の希望に沿って動ける部下」
有能な上司に自分で考えて動く部下の場合は、お互いがバッティングするし、意見調整などに時間や手間がかかます。。
いろいろやって、結局上司の意見が通ることも珍しくないでしょう。
それなら、上司が的確な指示を出し、部下が忠実に指示をこなす方が、うまく回ることが多くなります。